ぬか漬け1(ぬか床作り、容器選び)
今回はぬか床作りについての記事を書きたいと思います。
ぬか漬けを始めるきっかけになったのは、レシピ本で「半熟卵のぬか漬け」を知ったことです。それまでは野菜を漬けるだけのぬか漬けのイメージでしたが、こんな風にも使えるのか、おつまみに良さそうだな、と思い、試してみることに。
最初はスーパーで売っている発酵ぬか床を買って、漬けてみました。発酵ぬか床は、既に発酵している状態で売られているため、買ってすぐに漬け始められます。専用のチャック付き袋に入っており、冷蔵庫で保存して使えます。手入れもお手軽なので、ぬか床を初めてみたいなという方にはおすすめです。
発酵ぬか床を使って、レシピ本で見た半熟卵を漬けたり、王道のきゅうりや大根などを漬けたりしました。とても美味しくできて、おつまみにご飯のお供に大活躍でした。
ところが、繰り返し使っているうちにぬか床が水っぽくなってきました。袋裏面の説明書きには、「中身を新しいぬか床(詰め替え用)に変えるか、捨ててください。」といった内容が。なんだかもったいない気がして、手入れさえすれば長く漬け続けられるという自家製のぬか床に対する興味がむくむく。
早速調べてみて、初心者にも分かりやすそうな本を1冊購入。そして、形から入るタイプなので入れ物選びから。むしろこれに1番時間がかかった気がします(笑)最初はおしゃれな琺瑯容器にしようかと思っていたのですが、やっぱり甕(かめ)がいい!ということで、甕探しに没頭しました。
購入した甕は、岐阜県多治見市で約400年続く窯元の職人である加藤さんが作られたものです。シンプルで丸っこくて可愛らしい、ぬか漬けが楽しくなりそうな甕を手に入れることができました。
ぬか漬け・ぬか床について
ぬか漬けは発酵食品です。乳酸菌発酵させて作ったぬか床の中に野菜などを漬けて作ります。ぬか床の中には、様々な菌が棲んでいます。1番重要な存在であるのが、「乳酸菌」です。その他の代表的なものとして、「産膜酵母」「酪酸菌」があります。それぞれの菌を増やしたり抑制したりして、ぬか床をバランスよく発酵させ、自分好みのぬか漬けになるようにぬか床を育てていきます。
菌を増やしたり抑制するにあたって鍵となってくるのが、「温度」「空気」「水分量」です。菌は生きています。ぬか床にとって適切な温度は20~30℃と言われているため、室内の温度によってはぬか床を置く場所を考えた方が良いです。温度が高い、また水分量が多いと過発酵しやすくなります。そして、それぞれの菌には異なる特徴があります。空気を好む菌、嫌う菌。空気を好む菌はぬか床の表面に多く、空気を嫌う菌はぬか床の底の方に多く存在します。それぞれの菌が増えすぎるのを抑制するために、上下を返すようにしてかき混ぜます。
ぬか床作り
いよいよ、ぬか床作りです。まず、始めに書いておきますが、ぬか床作りは1日にしてならずです。私が作ったときは、ぬか床作り開始~実際に付けられるまでに約2週間かかりました。なぜかと言うと、乳酸菌をはじめとした菌が活動し、ぬか床が十分に発酵するまでに時間を要するからです。
~材料~
・米ぬか 1kg
・塩 130g
・水 800ml
・くず野菜(キャベツの外葉、にんじん・大根・かぶなどの皮や葉など)
~工程~
<1日目>
1.大きめのボウルに米ぬかと塩を入れ、水を注ぐ。
2.全体をまんべんなくしっかりと混ぜる。
3.ぬかの1/3の量を容器に入れ、その上にくず野菜をのせる。
4.残りのぬかをくず野菜の上にかぶせるように入れる。
5.拳で押して空気を抜きながら、平らにしていく。
(※くず野菜とぬかの間に空気が残るとカビが発生する原因や乳酸菌の発酵が進まなくなる原因にもなるので、しっかりと。)
<3日目>
6.1日目の仕込みから2日ほど置いたら、上下を返すように混ぜる。ここで、くず野菜の状態を確認する。
7.くず野菜がしなしなになっていたら、新しいくず野菜に取りかえる。(捨て漬け)
<4日目~>
8.毎日1回はぬか床の上下を返すように混ぜる。
9.7の作業(捨て漬け)を3~4回繰り返す。
10.ぬか床の香りが変わってきたら、OK。発酵が進んで菌が増えた証です。
(※これでようやく野菜を漬ける作業に入れます!!)
次回は、実際に野菜を漬ける作業やぬか漬けにして美味しかった野菜などについて書いていこうと思います。また、ぬか漬けにするのは意外!と思われるような変わり種も紹介できたらと思います。
ぬか床作り、ぬか漬けについては、塩山奈央著【簡単にはじめる ぬか漬けの教科書】を参考にしています。とても分かりやすく、個人的にも困ったときのお助け本となっているので、おすすめです。